中学校3年間で、英検3級(できれば準2級)合格を目標にしよう、と以前の記事に書きました。
この記事では、中学生になってから本格的に英語の学習を始めた方が、家庭学習で英検3級合格をめざす場合、どのように学習を進めていくべきかを書いてみたいと思います。
学校の授業の復習と定期テスト対策を中心に、無理や無駄の少ない効率的な学習をして、3級合格を目指しましょう。
目次
英検の各級の難易度と試験内容
まずは、英検の5級から準2級までの難易度と、試験内容をまとめます。
英検5級
- 中学初級程度
- 初歩的な英語を理解することができる。それを使って表現することができること
英検5級の試験内容
1次試験
- 筆記25分、リスニング20分
- マークシート方式でリーディング、リスニングのテストが行われる
スピーキングテスト
自宅のパソコンやスマートフォンで、スピーキングテストを受験可
(スピーキングテストの合否は英検4級認定には影響しない)
英検4級
- 中学中級程度
- 簡単な英語を理解することができる。それを使って表現することができること
英検4級の試験内容
1次試験
- 筆記35分、リスニング30分
- マークシート方式によるリーディング、リスニングのテスト
スピーキングテスト
自宅のパソコンやスマートフォンで、スピーキングテストを受験可
(スピーキングテストの合否は英検4級認定には影響しない)
英検3級
- 中学卒業程度
- 身近な英語を理解し、使用できること
英検3級の試験内容
1次試験
- 筆記50分、リスニング25分
- マークシート方式によるリーディング、リスニングのテスト
- 記述式によるライティング(英作文)のテスト
2次試験
- 1次試験合格者は、後日2次試験を受けることができる。
- 約5分間、1対1の面接による、スピーキングのテスト。
- 2次試験に合格すると、英検3級認定となる。
中学校の学年ごとの英検の目標
- 中学1年生で5級合格
- 中学2年生で4級合格
- 中学3年生で3級合格
このような目標ならば、学校の予習・復習、定期テスト対策と重なる部分が多く、無理なく英検対策の学習を進めることができます。
英検のスケジュール
ここで、英検のスケジュールを確認しておきましょう。英検は年に3回あります。
回 | 1次試験が行われる月 |
---|---|
第1回 | 6月 |
第2回 | 10月 |
第3回 | 翌年1月 |
先ほども書いたように、
- 中学1年生で5級合格
- 中学2年生で4級合格
- 中学3年生で3級合格
これを目標にするとしたら、各学年、第2回英検に挑戦し、合格できなければ第3回で再挑戦、というスケジュールが考えられます。
中学校3年生の秋か冬までに英検3級を目指すプラン
- 1年生の第2回(10月)または第3回(1月)に 5級
- 2年生の第2回(10月)または第3回(1月)に 4級
- 3年生の第2回(10月)または第3回(1月)に 3級
高校受験のスケジュールによっては、3年生の第2回、または第1回までに、目標とする級を取っておきたい人もいると思います。受験に関する情報を収集し、早めに準備、対策をしましょう。
英検CBTなら毎月試験が開催されている
英検は一年に3回の、限られた日にしか受けることができません。
英検を受けたくても、日程を確認するとその日は用事があって受験できない!ということもあるでしょう。
2019年度の時点では2級、準2級、3級だけですが、英検CBTの日程もチェックしてみるといいですよ。
英検CBTは、コンピューターを使ってテストを受ける英検です。英検CBT専用のテスト会場で、毎月試験が開催されています。
パソコンを使って4技能の試験を1日で受けます。通常の英検は(3級以上は)1次試験合格者だけが、面接によるスピーキングのテストを受けますが、英検CBTの場合は、全員がスピーキングのテストを受けます。
英検CBTに合格すれば、通常の英検とまったく同じ合格証書、合格証明書を得られます。
どんな教材で学習したらいいか
中学校3年生の秋か冬に英検3級を取る、という目標の場合、学校で習う英語の予習、復習、定期テスト対策に、スタディギアをプラスするというのがおすすめの学習方法です。
- 学校の教科書
- 学校のワーク
- 英検スタディギア(ベーシックプランまたはプレミアムプラン)
- NHKラジオ基礎英語
- 英文法の問題集
- 英検過去問題集
- ライティングの練習
- 面接によるスピーキング試験対策
こういった教材で英検対策の学習をしていきます。
まずは学校の英語の授業と定期テスト対策をしっかり
学校の英語の授業の予習、復習をやりましょう。
そして、定期テスト対策にもしっかり取り組みましょう。
- 教科書を音読
- 重要な英文は暗唱しながら正しく書けるように
- 単語、熟語を覚える
- 学校の副教材のワークをくり返しやる
まずはこれをしっかりと。
教科書と学校の副教材での学習をやったうえで、まだ余裕がある場合は、教科書ワーク、教科書トレーニング、その他市販の問題集、通信教育などをプラスするのもいいでしょう。
英検公式の教材・英検スタディギア
英検スタディギアは、英検の公式デジタル教材です。以前は使いにくいところもあったんですが、改良されてとても学習しやすくなっています。
公式だけあって、無駄なく効率的に、英検対策ができます。
単熟語、英文法、リーディング、リスニング、過去問演習など、これだけで英検の対策がすべてできます。パソコンの他、スマホ、タブレットなどでも、手軽にしっかりと学習できるんですよ。
英検スタディギアのベーシックプランを使い倒そう
英検スタディギアには、3種類のプランがあります。
名称 | 料金 | 利用できるコンテンツ |
---|---|---|
ライトプラン | 無料 | おためし程度 |
ベーシックプラン | 無料 | コンテンツの一部 |
プレミアムプラン | 有料 | すべてのコンテンツ |
この中でもおすすめは、ベーシックプランです。
ベーシックプランは、英検の申し込みをすると発行されるクーポンで、無料で利用できるプランです。
英検の申し込み期間に入ったらすぐに申し込みをし、ベーシックプランの利用を始めるとおトクです。
うちの中学生の子供が英検スタディギアのベーシックプランをやっていますが、取り掛かりやすく、勉強しやすいようです。他の勉強はやる気にならない時も、スタディギアだけは進んでやっていたりします。
英検対策に特化した教材って、スタディギア以外には、これといったものは少ない気がします。スマホアプリなどは少しありますが、英検の勉強といったら、市販の紙の問題集がまだまだ主流のようです。
英語4技能の力がつく!中学生におすすめのNHKラジオ基礎英語
学校で習う英語に何かプラスしたい場合は、NHKラジオ英語講座「基礎英語」が、これも中学生が英語を学ぶのにぴったりでおすすめです。
2019年度は、うちの子供が基礎英語2、私が基礎英語3を聞いています。
今の基礎英語は、ストーリーもなかなかおもしろいんですよね(#^^#)
テキストに単語や英文を書き込むところが毎日あり、ライティングの学習がかなりしっかりとできるようになっています。
テキストを購入してくり返し音読、暗唱をしたり、ライティングの学習をしましょう。
毎日続けるのは大変ですが、1年間続けたら、英語4技能の力がぐんとアップするはずです。
英検の級と学年とラジオ基礎英語の関係
- 中学校1年生→基礎英語1→英検5級
- 中学校2年生→基礎英語2→英検4級
- 中学校3年生→基礎英語3→英検3級
いまどき、ラジオの英語講座なんて…とあなどることなかれ。お金があまりかからず充実した英語学習ができます。
学校の宿題以外に英語の勉強をしたいけどどうしようかな?と思っている方は、まずはNHKのラジオ講座をチェックしてみるといいですよ。
英文法のやさしい参考書もおすすめ
次の場合は、まずは英文法の学習をしてから、英検スタディギアや過去問に取り組む必要があります。
- 過去問を一通り解いてみて、文法問題で解けないものが多い場合
- 学校で習う英語よりも先取りしたい場合
このような、あまり分量が多くなくて要点がまとまっているやさしい文法のテキストを、2周以上やることをおすすめします。
1つ1つ丁寧に覚えることも必要ですが、要点を短期間でひととおり学習することで、英文法の基礎の、全体像が見えるようになります。
英検を目指した学習スケジュール例
たとえばこのような学習を習慣にするというのはどうでしょうか。
一年を通じてやること
- 学校の宿題、ワーク
- 学校の定期テストの勉強
- 朝にNHKラジオ基礎英語聞き流し
- 夜にラジオ基礎英語のテキスト音読。重要フレーズをノートに書いて音読。見ないで書いて暗唱できるようにする。
英検の3か月前から
英検の申し込みが始まったらすぐに申し込みをし、英検スタディギア(ベーシックプラン)を本番までみっちりやりましょう。3級以上の短期合格を目指す場合は、有料にはなりますが(高いですが)プレミアムプランを検討するのもいいかと思います。
早めの段階で、過去問を一度解いてみましょう。採点をして、5割ぐらい取れていて英作文も「全く手も足も出ない」感じではないようだったら、本番まで学習すれば、じゅうぶん合格を目指せます。
スタディギアの学習が合っていると思える場合は、有料のプレミアムプランで学習するのもいいと思います。(5級、4級はプレミアムプランはもったいない気もしますが…)
スタディギアのベーシックプランは、過去問の練習が1回分しかできませんから、過去問題集を1冊買ってやるとさらにいいです。
ライティング(英作文)の学習をする
英検のサイトに、英検3級のライティングテストの考え方を解説してくれるページがあります。
これを一通り学習し、決まった型を覚えましょう。その後、いろいろな質問に答える英作文を考えて書いてみるといいです。
良い作文を書こうと悩むあまり、時間切れで空欄で出してしまうことだけは避けたいです。
ごく簡単な単語、短い文でもいいから「聞かれたことの答えになっている英作文」ができることを目指すのがコツです。
3級以上は面接によるスピーキングの二次試験対策を
3級以上は、1次試験合格者は後日、2次試験を受けることになります。
英検の2次試験は、1対1の面接による英会話のテストです。
英検のサイトで、どのように面接のテストが行われるのかイラストや音声も使った詳しい説明がありますので、それをよく見ましょう。
英検スタディギアで二次試験対策ができます。
さらに、過去問題集などを参考に、質問に答える練習をしておくとよいでしょう。
英検の各級に対応した、二次試験の練習ができるオンライン英会話もあります。オンライン英会話はいろいろありますが、こちらは特に受講しやすく、おすすめです。
中学生は英検を受けよう!
このページでは、中学校3年間で英検3級合格を目指すための学習方法をご紹介しました。
中学生は、学校の授業の予習復習、そして英検対策、高校受験をする方は受験勉強をしながら、英検対策の勉強もすることになります。
しかし学校の授業や定期テストのための勉強と、英検対策の勉強は別々のものではなく、互いの予習、復習となり、より深く学ぶことができます。
英検の級はこれから大学受験にも直結するようになるといわれています。
中学生のみなさんに、英検を目標に英語の学習をすることをおすすめします。
中学生のうちに準2級、2級などもっと上の級への合格を目指すなら
中学生のうちに、3級より上の級を目指したい方もいると思います。その場合は、どんな学習をプラスしたらいいでしょうか。
英検準2級
- 高校中級程度
- 日常生活に必要な英語を理解し、使用できること
英検準2級の試験内容
1次試験
- 筆記75分、リスニング25分
- マークシート方式によるリーディング、リスニングのテスト
- 記述式によるライティング(英作文)のテスト
2次試験
- 1次試験合格者は、後日2次試験を受けることができる。
- 約6分間、1対1の面接による、スピーキングのテスト。
- 2次試験に合格すると、英検準2級認定となる。
準2級の難易度は、高校中級程度となっています。
小学生のうちから通信教育や塾、市販の教材で英語の学習をしてきたお子さんは、中学生ではきっと英語は得意教科となっているでしょう。
早い段階で3級合格を目指し、その後は準2級、2級を目指して勉強を続けてください。
中学生になってから英語の学習を本格的に始めた方が、中3までに準2級合格を目指すとしたら、スケジュール的にかなり忙しくなります。まずは2年生の第3回英検までに、3級に余裕をもって合格できる力をつけることを目標にしましょう。
中学校で習う英文法を完全に理解し、使えるようにしたうえで、準2級対策の単熟語を覚え、過去問で演習をすることで、3年生の第1回、または第2回英検で、準2級合格点到達を目指すのが良いのではないかと思います。
普段の英語の学習には、学校の予習、復習、定期テスト対策の他、英語の4技能を伸ばせる通信教育などをプラスすることも検討すると良いでしょう。
いろいろな教材を見てみた中で、英検対策の教材としてやはりおすすめしたい基本教材は、英検スタディギアと、市販の英検過去問題集です。
さらに4技能の底上げにNHK基礎英語、または予算に余裕がある場合はオンライン英会話をプラスするのがいいと思います。